厚生労働省は子育て世代の支援を強化します。
3歳未満の子供を持つ親が申請すれば残業を原則免除するほか、就業時間を短縮する短時間勤務制度をすべての企業に義務付ます。
育児休業を取った社員を不当に解雇する「育休切り」を実施した企業の罰則も強化します。違反勧告に従わない企業名を公表します。仕事と家庭の両立をしやすい環境を整え、少子化に歯止めをかけることを目指します。
厚生労働省は15日に開いた労働政策審議会分科会に育児・介護休業法改正案の法案要綱を提示し、政府は21日にも改正案を閣議決定して国会へ提出し、成立を目指します。
要綱には3歳未満の子どもを持つ親の残業免除規定を盛り込みました。ただ労使で合意すれば対象外の従業員を協定で定めることができます。
全企業に短時間勤務制度の導入を義務付ける規定では、厚生労働省が法案成立後に定める基準に沿って事業主が独自制度を導入します。
景気低迷で相次ぐ「育休切り」への対応では、企業名公表のほか、実態把握のための資料提出などに応じない事業主に20万円以下の過料を求めます。
厚生労働省の調査では、育休を理由に解雇などの不当な扱いを受けたといく相談件数は2008年度が2月までに1,807件に上り、2007年度(882件)を上回っています。
取得率が1.56%と低迷する父親の育休取得も促します。
通常は子どもが1歳になるまで最大で1年間の育休を取得できるが、夫婦がともに取得する家庭は子どもが1歳2か月になるまで取得を認めます。
夫婦それぞれが取得できる期間は1年間で据え置きます。
施行は改正案成立後、原則1年以内です。
政府は改正案を今国会へ提出して早期成立を目指します。
ソニーやキャノンなどの大手企業は、既に育児期間中の短時間勤務や在宅勤務、時間単位で取れる救急休暇、残業免除といった多様な育児支援制度を導入済みで、改正法で大きな負担がかかることは考えにくいと思われます。
ただ、中小・零細企業では育児支援の取り組みが十分に進んでいません。
完全施行されれば、コストアップ要因となるため、若い女性の採用に慎重になる可能性もありそうです。
(日本経済新聞より)